フィッチがトルコの格付けを下げるという衝撃的(予想通り…?)のニュースが舞い込んできたので、取り上げたいと思います。

ついこの前格付けが上がって喜んだ記憶がありますが、格下げですって…?
Ⅰ. フィッチの格付けの仕組み
格付けスケール
フィッチ・レーティングスの長期信用格付けは、以下の段階で構成されています。
| カテゴリ | 格付け | 意味 |
|---|---|---|
| 投資適格 | AAA / AA / A | 最高〜高い信用力 |
| 投資適格(下位) | BBB | 良好な信用力 |
| 投機的(ジャンク)上位 | BB | 投機的・やや脆弱 |
| 投機的 | B | 投機的・脆弱 |
| 高リスク | CCC以下 | 非常に脆弱〜デフォルト |
各段階に「+」「−」が付き、細分化されます(例:BB−はBBの中で最低水準)。
見通し(アウトルック)の意味
格付けと同時に「見通し」が発表され、今後の格付け方向性を示します。
- ポジティブ(強含み) → 近い将来、格上げの可能性あり
- 安定的(Stable) → 当面、格付けに変化なしの見込み
- ネガティブ(弱含み) → 格下げの可能性あり
- ウォッチ(要注意) → 短期的に格付け変更を検討中
見通しの引き下げ(ポジティブ→安定的)は、格付け自体は変わらないものの、格上げの期待が後退したことを意味します。
Ⅱ. トルコの格付け推移(直近の流れ)
フィッチは2024年9月にトルコの格付けを「B+」から「BB−」に引き上げ、外貨準備高の改善等を評価しました。その後2026年1月には、格付け「BB−」を維持しつつ見通しを「安定的」から「ポジティブ」へ引き上げ、外貨準備高が予想以上に増加し対外的な脆弱性がさらに低下したと評価していました。
しかし、フィッチは2026年4月10日、トルコの格付け見通しを「ポジティブ」から「安定的」に変更しました。通貨リラを支えるための大規模な為替介入で外貨準備高が急速に減少していること、およびイラン紛争に伴うリスクの高まりを理由に挙げ、長期外貨建て格付け「BB−」は据え置きました。
Ⅲ. 今回の見通し引き下げに対する評価
① 外貨準備の急減:構造的な脆弱性の顕在化
外貨準備が豊富であることは国の経済が安定している証拠とされ、逆に為替介入によって外貨準備が減少するような状況は、自国通貨の安定性を損なうリスクがあると評価されます。
② 地政学リスク(イラン問題)の波及
イランでの紛争開始以降、通貨防衛のために巨額の準備金が費やされたことや、原油価格高騰のリスクが今回の引き下げ要因とされています。
トルコはエネルギーの大部分を輸入に依存しており、原油高は経常赤字を直撃します。さらに地理的にイランと国境を接するトルコは、中東情勢の不安定化による観光業・貿易・資本フローへの影響を受けやすく、地政学リスクの遮断が困難な構造的弱点を抱えています。
③ 評価まとめ
今回の見通し引き下げは、格付けそのものは変わらないとはいえ、「格上げへの道のりが再び遠のいた」と受け止められます。
2023年以降のシムシェキ財務相主導の正統的経済政策(利上げ・財政規律)は評価できますが、外的ショック(地政学リスク)に対する脆弱性は依然として高く、リスクの高さを感じさせられます。今後は、他社格付け機関の動向も引き続き注視したいと思います。
トルコリラ スワップ投資の考え方
今回の格下げにより、トルコリラが強くなるのはまだまだ先という感触を持ちました。一方で、トルコリラを信じて投資を続ける猛者からすると、リラを安く仕込める期間が続くことになりますし、今後トルコリラが更に下がる可能性もあります。私は、将来リラが上がることを信じて、今後も買い増していく予定です。
トルコリラ投資は必ず儲かるというものではなく、損失を被る可能性がありますので、自己責任でお願いします。


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